書籍ご紹介。―これからの「教育」について話をしよう―
これからの「教育」について話をしよう
これからの「教育」について話をしよう は学校広報ソーシャルメディア活用勉強会(略称:GKB48) の画期的な取り組みの中から生まれたシリーズ書籍である。
著者 GKB48(以降GKB)の紹介
GKBは学校広報に限らず、学校運営や教育問題、ソーシャルメディア、※ICTに関心のある人が集まり、「教育」「ソーシャル」「広報」というテーマのもと、組織を超えて教育への思いを発信・共有し、未来の「教育」をつくることを目指しているグループ。
メンバーそれぞれがオンラインで意見、情報の交換を行っているほか、会場に集まっての勉強会、カンファレンスも実施されている。
(堅苦しい机上の論とは全く違う、画期的な取り組みである。)
IT(Information Technology=コンピューターやデータ通信に関する技術)に、コミュニケーション(Communication)機能を付加した情報通信技術の略。
人と人、人とモノ、人とコンピューターの間で情報や知識を共有・伝達するコンピュータ技術、産業、設備、サービスなどの総称。これもICT【回転寿しの場合】
端末メニューのタッチパネルより写真をタッチして寿司を注文、端末から送られてきた注文データを元に寿司職人が寿司を準備。
お勘定はお皿に組み込まれたICチップを機器が読み取り、タッチパネルに表示。読み取ったネタごとの売り上げデータがコンピュータに送られる。店側はコンピュータで全店舗の売上状況を把握し、無駄のないネタの仕入れを行って売上を管理。ITとICTの違いは、ICTは情報や知識をどのように活用できるか、という使い方に重点が置かれたものである。
「共感からコラボレーションへ」
GKBの活動における主体は個人。
組織のひとりとして参加するのではなく、個人として参加し、ソーシャルメディアを活用して個人個人がアイデアや想い、情報を発信している。
そうしたことから、そこには個々の「共感」が生まれるのだが、ただ共感するだけでなく、互いの持ち味を生かした「コラボレーション」へ発展することがあるという。
ほんの小さな波も、やがて大きな波となり、ダイナミックな展開へ至るのだ。
これからの「 教育 」について話をしよう も、そうした「共感からコラボレーションへ」という発展の先に生まれたものである。
最新作の第三弾は、先に行われた「共感からコラボレーションへの飛躍-10年後の教育環境をイメージして」をテーマにしたカンファレンスから全10名のスピーチを採録し書籍化したものである。
教育現場で個々に思い、気づいた点から、新しいアイデアや構想を明確にし、それらを実現するための情報収集、計画、準備を行い、アクションを起こし、実現化するまでのプロセス、新たな構想に向けた思いが集約されている。
また、本書では2012年にアメリカおいて、大学の先生が講座を動画と言う形でスタートしたMOOC(ムーク)「Massive Open Online Courses」の解説も取り上げられている。
大学講座の短縮版といえるMOOCは、世界にいくつか出来ており、日本にはJMOOCがある。
事前にオンライン上で受講登録すれば、無料で好きな講座を受講できるという。
学校を卒業して社会人になってからも、自分の興味がある分野について、更に学びを深めることが出来るのだ。(私はこの本のおかげでMOOC、JMOOCを知った。)
MOOC、JMOOCの動向や現状、教育現場における様々な取り組み、ICTと「教育」のコラボレーションによる未来の「教育」づくりが見える一冊である。
私がこうしてブログを続けてこれているのは、ブログを通じて様々な学びや教えがあり、他のブロガーの方々のブログを拝見し、共感したり学んだりすることがたくさんあるからだが、それ故、共感が多い一冊であった。
さまざまな枠組みを越えて教育に触れ、教育について語り合う中で生まれ出る「共感」と「コラボレーション」。
そこからまた新たな課題や取り組みが生まれ、ストーリーは更に広がっていく。
GKBの活動、これから先も楽しみである。
Kindle版とオンデマンド (ペーパーバック)あり。
オンデマンド (ペーパーバック)はA5サイズ、本の厚さは8mmとコンパクト。(ページ数107頁)
文字の大きさが読みやすく、一話一話の話が長すぎず、短すぎずちょうどよく、読みやすい。