最初の結婚

おいたち, 結婚・離婚

これまでのおいたちはカテゴリ「おいたち」⇒こちらにあります。

珈琲店で数年勤めたあと、私は一般企業に就職し正社員として働いた。
そして20代前半で最初の結婚をした。
社内結婚だった。

一度もデートをしたこともない、手をつないだこともない、もちろんお付き合いをしたこともない人と、だった。(そんな相手と結婚をするなどアホとちがう?と誰しもがそう言う。私自身もそう思う。)

父母の離婚後、ローンが残ったままの実家を母が譲り受けた。
母は午前中は保険の外交員、午後は飲食店の事務員、深夜は飲食店の仲居…、とほとんど寝る暇なく働いて家のローンを支払っていた。私も少ない給料のうち、いくらか家にお金を入れていた。
ところがある日突然、「家を売るから今月中に家を出て行くように!」と母から言い渡される。
急にそう言われても、今まで家にお金を入れてきて貯金は全くない。家を借りるにしても敷金・礼金・前家賃が要る。さて、どうしたものか…。
…期限の日がどんどん迫ってきた。

仕事場のイメージ画像当時、職場には気が合う同僚が居た。
どんな風に気が合うのかというと、その同僚と仕事をしていると、驚くほど効率よく仕事が片付いた。
上司は「君達は本当に名コンビやなぁ。なんなら結婚したら?」とよく言った。
しかし私にとってその人は、あくまでも仕事のパートナー、であった。

ある日の残業後、その同僚と初めてふたりきりで食事に行った。
互いに仕事の話ばかりしていたが「Sunちゃん、最近仕事でミスすることが増えてないか?そんなことはめったになかったから少し気になるんだけど…」と相手が言った。そんなことまで気付いているのか、さすが名パートナー!である。

「実は、今月中に実家を出なければいけないんだよね。家を借りるにしても貯金はないし、期限はどんどん近づいてくるし。最近はずっとそのことばかり考えているから、そのせいかも…」
気がつくと、思うことをそのまんま相手に話していた。

すると彼が「ベストタイミングでいい話があるよ!」と言う。
なんでも親友が急に県外に転勤することになり、「家をそのまま空けるのは無用心なので、タダでそこに住まないか?」と声をかけられたところだと言うのだ。

「もしよかったら、Sunちゃんもそこに間借りさせてもらえるかどうか聞いてあげるよ。広い家だから僕ひとりで住むのはどうかな、と思っていたところなんだよ」と、ほんとにタイミングが良すぎる話が転がりこんできた。
すぐにでも乗っかりたい話である。しかし相手はいちおう男の人だ。
この件はまず母と話をして、母から了承を得た上で決めることにした。

母と話をした。
「未婚の女の人が男の人とひとつ屋根の下で一緒に生活をするなんて、とんでもありません!一緒に住むというのなら今すぐ籍を入れなさい(結婚しなさい)!籍を入れないのなら許しませんからねっ!!」と言うことであった。

私は単にルームシェアをしたいだけだ。
「いや、まだお付き合いをしたことも、手をつないだこともない人なので、籍を入れるというのは逆にまずいと思うんだけど…。籍を入れるかどうかは一緒に住んでからにするよ」と説明した。
しかし母は「籍を入れなかったら一緒に住むことなど、絶対に許しませんからね!!」と、話は全然ラチがあかなかった。

「今までお互いに恋愛や結婚など考えたことはなかったのにね。さて、これからどうしよう」私がそう言うと、彼が「うまくいくんじゃないかな?結婚しても。いいお嫁さんになるだろうな、って僕は思っていたし…」と言ってくれた。

これまでに男の人とお付き合いをしたこともない私が、相手から突然そんな風に聞かされて、頭が一瞬でポーポ~ッとなるハートっとなった瞬間であった。
この一瞬のポーっポ~ッとなるハートで私はその人と結婚することを決めたのであった。(←ほんまにアホです。大いに笑ってやってください。)
こうして私は入籍し、彼の友人宅での間借り生活が始まった。

しばらくして実家は人手に渡った。
植えてから一度も実をつけたことがなかった庭のさくらんぼの木が、家が人手に渡ってからようやく実をつけるようになった。
たわわに実をつけるようになった。

たわわに実るさくらんぼ、お父さんと家族みんなで植えたさくらんぼ。
私もいつか、あのさくらんぼのように、たわわに実をつけることができるかな。たわわに実ったさくらんぼの画像
(つづきはまた)

おいたち, ブログ, 同僚, 結婚, 間借り

Posted by Sun