プロローグ
引っ越しをはさんで、前話からかなり間が開いてしまいすみません。父に関するこれまでの出来事を時系列にまとめました。これまでの「父 STORY」です。
今後の出来事も「父 STORY」に追記していきます。
- 父、お腹の大きな妊婦のおばさんを家に連れてきて「こっちが新しいお母さん、(母を指さし)こっちが古いお母さん。みんなで仲良くやっていこう」とのたまう。「事件」
- 父母離婚。おばさんは夫と離婚して父と結婚、連れ子ひとり。父は「俺は300万円で売られた」とこぼす。「事件のその後」
- 父の子、生まれる。明らかに「父の子ではない」と思われ。「父の子うまれる。」
- ペンフレンド(幼なじみで婚約者)の彼と父に会いに行く。「婚約」
- 婚約破棄の後、傷心の私は父に会いに行く。「良い青年だったのにな。」と、この時父はとても残念がっていた。「少しだけ親子水入らず」
- おばさんと子どもたちが金目のものを全て持ち出し家を出て行った、と父から電話がある。その後、父は7年間行方知れずとなる。「父は何処に?」
- 子どもの頃から毎年家族でお参りをしていた神社に出向き、父が見つかりますように、とお祈りする。その一週間後、父の所在が分かる。「父見つかる。」 👈今、ここ
父は、私が住んでいるところから船で約一時間の、とある島に居た。
7年ぶりの電話で、父からざっと事のあらましを聞いた。
嫁と子が金目のものを全て持ち去って出て行ったあと、父は私たち家族の元に帰りたい、と心から思ったが、それはもう無理だと気付き、その後、自ら命を断とうとして島を訪れたという。
そこである人に助けられ、今はその人(女性)と一緒に暮らしているという。
嫁に「離婚して欲しい」と訴えるも、離婚には応じてもらえず、籍はそのまま、ということであった。
電話で、父の命を救ってくれた(自殺をとめた人)という人を紹介される。
父より15歳ほど年下、私より10歳ほど年上のこの女性は、初めての電話のやりとりの中で、何もおくびれることなく「仲良くやっていきましょうね」と友好を示してきた。
父曰く、「良い人だ。」とのこと。
命を救ってくれたのだから、良い人であることに違いはない。
その後、父の彼女から頻繁に電話があり、友好アピールは続いた。
私は父の彼女と仲良くなった。
しかし妹たちは、彼女のことを「おかしいんじゃないか?」といぶかしがった。
これまでに父が全くの音沙汰なしであったこと。
突如現れた娘のことなど、うっとおしく思うのが普通なのに、居場所を知られた途端に「仲良くしましょう」と言ってくるなんておかしい。本当に仲良くしたいのなら、もっと早くに父から連絡があったはずだ。
姉ちゃんは、すぐに信じて騙されやすいところがあるから気をつけて。
妹たちはそう言った。
その後父と、何度か電話でやりとりした。
しかし、ほどなくして「色々事情があって、引っ越すことになった。また必ず連絡する。」と連絡がある。
それからまた、父は行方知れずとなった。(次回に続く)