心の中の幸せ
心の中の幸せ
心の中の幸せ
久々のまとまった雨。
山と山の新緑がちょっと喜んでいる、嬉しそうにしているように見える。
天気予報だと九州、四国以外では、今日明日は雨が降る地域が多そうだ。
雨により夕日が見れない地域も多いことだろう。
そのかわりに、と言ってはなんだが、先日撮った夕暮れの海の写真をアップ。
陽が沈むと、海の色はところどころにブルーのラインが入り、なんとも言えない趣き。それとともに、満ち潮による潮の香りと潮の音が心地よい。
私は潮の香りを嗅いだり潮の音を聴いていると、なんだかとてもホッとする。
それは何故なのか?
昔、私の両親は赤子の私を連れ、毎日夜釣りをしていたそうである。
以前記事「はじまりとおいたち」に綴ってあるが、私の両親は親に勘当され駆け落ち結婚で結ばれ、結婚当初はとても貧しかった。
私が生まれた当時、住んでいた長屋の近くの岸壁では夜釣りで子アジがたくさん釣れたそうで、父と母は毎夜、夜釣りで食材をGetしていた。
生まれて間がない私は、蚊よけの蚊取り線香と共にヤナギゴウリに入れられて、両親のかたわらで夜釣りに付き合っていたそうである。
ヤナギゴウリ(柳行李)
昔懐かしいコリヤナギを編んで出来た入れもの、つづらかご。
今ではほとんど見かけることはない。(👇Wikipediaより参考写真)
私にとって、潮の香りや潮の音は子守歌みたいなものであったに違いない。
今でも潮の香りを嗅いだり潮の音を聴いてホッとする、心が落ち着くのは、そのせいかと思われる。
「はじまりとおいたち」にあるが、両親はこの当時のことが「一番楽しかった」とそれぞれに話していた。
収入が増え、世の中は便利になり、生活は昔よりずっと豊かになったが、父母は「貧しかったが、あの頃が一番幸せだった」とそれぞれに色々語ってくれた。
この夜釣りの話もその中のひとつだ。
「一番楽しかった」
人がお金やモノでどんなに豊かになったとしても得られないもの、そういったものがそこに存在していたのではないだろうか。
そんな風に思える。
幸せは「人それぞれの心の中にあるもの」、
「自分自身の心の中にあるもの」なのかもしれない。
その日見たもの、その日感じたもの、その中にありがたく思えるものがひとつでもあるということはありがたい。
日が沈んだあとの海を見ながら、そんな風に感じた夕暮れであった。