釣りの思い出「チヌ釣り」

私の父は大の釣り好きであった。
その影響で、私も幼少の頃から魚釣りに興じてきた。
年に何回か単身赴任先から帰って来た父は、私が通う学校にやって来て「釣りに行くので早退させます」と言って私を早退させ、一緒に釣りに行ったりもした。

様々な魚を釣ってきたが、父が特に好んでいたのはチヌ(黒鯛)釣りであった。
引きが強いチヌ釣りは私も大好きだった。

ひとことにチヌ釣りといっても、地方によって色々な釣り方があるかと思う。
ちなみに、私が住んでいる地域では「爆弾釣り」というのがメジャーである。

爆弾釣りは、
「フクロムシ」という餌を針先につけ、そのフクロムシの周りを団子でくるむ。
(周りをくるむ団子は、水中で割れるように固さを調整して練っておく。)
こうして竿を海に向かって放つ。
団子が水中で割れると周囲の水が濁る。濁りが好きなチヌはそこに寄ってくるので、それを狙う方法である。

しかし我が家ではこれとは違う方法でチヌ釣りをしていた。

我が家では「にごし釣り」と呼んでいたのだが、記事を書く際に「にごし釣り」で検索してみたが、ネット上では見つけることが出来なかった。今までにこの釣り方をしている人を見かけたことはないので、おそらく珍しい釣り方なのだろうと思う。

「にごし釣り」というのは
海面が胸から肩の高さにくるくらいまで海の中に入り、
足で海底の砂を思いきりキックして砂をかきあげ、
そこにすかさず釣り竿(釣り糸-餌はゴカイ)を垂らす。
砂をかきあげることで濁りが出来、砂の中に居る餌も巻き上げられるのでチヌが寄ってくる。それを狙う釣り方である。

自分の足元近くに釣り糸を垂らすので、釣り竿は1mくらいの短い竿を使う。
(我が家では山で竹を刈ってきて、その竹で竿を手作りしていた。)

昔は今より魚がたくさん居たということもあろうが、この釣り方で手の平大~20cmサイズのチヌがおもしろいほどよく釣れた。
たまに竿が折れてしまうほど大きいのも釣れた。

おもしろいほどよく釣れたが、日光プラス海面の反射によって、海から出ている部分(胸から上)だけおそろしいまでに日焼けしてしまうという難点はあった。
なので家に帰ると、日焼けした部分にせっせとアロエを塗ってメンテナンスするのが日課であった。
(アロエは抗炎症作用があるので日焼け後のお手入れにおすすめです。過去記事👉日焼けあとにアロエ

妹たちはすぐに飽きて海岸で遊んでいたが、私と父は並んで日暮れまでしつこく釣っていたものだ。
懐かしい思い出である。

今では釣りに行くことはほとんどない。
だが、私の車のトランクには常時、釣竿と釣り道具が積んであるのであった。