「 おかしなことに巻き込まれてしまったようだ 」と父。
おかしなことに巻き込まれてしまったようだ
「 おかしなことに巻き込まれてしまったようだ 」、その言葉を残し、父の行方がまた分からなくなってしまった。
とりあえず居所だけはちゃんと伝えてほしい、私は父にそう伝えてあった。
約三年後、父から電話があった。
父が引っ越したのは、海を隔てて遠く離れた、車だと5、6時間はかかるであろう地であった。
その電話で父は「四国に帰りたい、みんな(元家族)の近くで暮らしたい。」と言った。
自ら望みもしない遠い地に、突然引っ越してしまった父。
このときは、その理由を知る由(よし)もなかった。
おそらく、父も私と同じであっただろう。
それから半年くらいの間は、電話で父とやりとりした。
父は、まだ話すことが出来ない私の娘と電話で話したがり、娘に受話器を渡すと「じいちゃんだよ~」と必死に話しかけていた。
タクシーの運転手をしていること、他にも色々なことを父と話した。
電話は父からよりも、彼女の方からかかってくることが多かった。
老いてきた父の身の回りの世話をしてくれている彼女に、いつも感謝していた。
ある日、父から「おかしなことに巻き込まれてしまったようだ。これからは電話に出られない。」と電話がある。
「とにかく、電話してきても電話に出ることはできない。こちらから連絡するまで電話をしないで。しばらく連絡がとれなくなる。」ということであった。
そしてその後また、父の行方は分からなくなった。(次回につづく)
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カテゴリー「サスペンス」は、私の記憶と、私の手元に残してあるメモをもとに綴っています。
「父 STORY」の方は、実際にあった出来事を、
「Discovered」の方に、後に判明した事柄を埋めていきますが、こちらが埋まっていくのはまだまだ先になります。