事件のその後(おいたちより)
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あれから後、
おばさんの方は「家庭破綻の原因は夫の方にある」として、夫から慰謝料300万円をもらい離婚した。
慰謝料を支払う方では?と思えたが、おばさんはずっと以前からこうなるように策を講じていたようだ。計画的で、ある意味こわい。
おばさんには連れ子(女の子)がひとり居た。
父と母は家庭裁判所で何度か調停したが、調停委員から夫婦仲の修復と婚姻の継続を薦められていた。
そんな中、おばさんは「慰謝料を300万円支払うから離婚して下さい」と母に催促し続けた。母はそれを拒否し続けた。
ところがある日、何を思ったか母が「離婚届にはんこを押した」と言う。
事情を聞くと、おばさんの再三再四の要求に耐え切れず、衝動的にはんこを押してしまった、という。(まぁ、気持ちは分からないでもない。)
「俺は300万円で売られた…」と父がこぼした。
父にとっては母が一番だった。
父は母と離婚する気はなかった。
母の離婚の承諾に父は相当ショックを受けていたようだった。
父は本当にみんなで、古いお母さんと新しいお母さんとみんなで仲良くやっていきたかったのだ。
(それはふつうに考えて、とっても無理なことだが。)
こうして父母の離婚は成立した。
離婚が成立し父はすっかり元気をなくしてしまったようだった。
これまでは妻子に男を立ててもらえていた父の生活は一変し、おばさんの言いなりになる毎日。
反対に母は、父に気を使う必要がなくなり、まるでカゴから解き放たれた鳥のように「何もかも自由よ!」と生き生きし始めた。
女は強い!
それを間近にみたような感じだった。
それにしても、
おばさんが夫から慰謝料を取った話といい、「俺は売られた」と父がこぼした事といい、なんだかおかしな点が多い。
「もしかしてお腹の子はお父さんの子じゃないかもしれない」と
母も私たち娘らも感じ始めていた。
「生まれたこどもを見ればすぐに分かるだろう」
母はそう言った。(つづきはまた)