まるで刑事ドラマ

おいたち, サスペンス, 父 STORY

父は最後の電話で「お前たち(子供たち)には心配をかけることがないように、お父さんはちゃんとしてあるから、嫁にもそう頼んであるから、何も心配することはないよ、安心しなさい。」と言った。

しかし父死亡直後より、義母から相続放棄を迫られ、なじられ、財産調べと家庭裁判所での手続きに追われる毎日。ほっとする暇もほとんどなかった。

あの世から父はこの状況を見ているだろうか?
もし見ているのなら、どうか本当のことを教えて!伝えて!
何度そう思ったことだろう。

不思議なことにも、元々父名義でローンが組まれていた家はすぐに見つかった。
どんどん明らかになっていく事実、まるで父が死ぬもっと以前からシナリオがあったかのようだった。

父と再会を果たした当時から、妹たちは「義母はおかしい」と言っていた。
父の死後、家族は「姉ちゃんは義母に利用されたんだよ。」と言った。

たしかに、その通りだと後に思った。気付いた。
父の娘は3人、だが義母は私にだけ親しく接してきた。
父が亡くなった時、何かおかしいと思いつつも、私は義母を全く疑わなかった。
妹たちなら有無も言わさず、すぐに父を解剖しただろう。
あの場で「解剖しなくていいです」と言った私の存在は、義母にとってはまるで救世主だった。
そして父が遺骨となった途端、義母は豹変した。書類の話をしてきた。

家が見つかった時点で再度警察を訪ね、「父の死について調べてください。」ともう一度お願いした。
しかし「義母はクロ、真っ黒だが、確たる証拠がないと捜査はできない」と同じ返事であった。
どんなに状況証拠が重なってクロであっても、義母が実際に父を死に至らしめた証拠、たとえば薬なら「この薬」、サプリなら「このサプリ」と、決め手となる具体的な証拠がなければ捜査は無理、ということであった。

警部は私が調べた時系列の記録を見て「悪いことをした人間は北に逃げるというが、まさにその通りだな」と言った。(これは刑事ドラマなどでよく聞くセリフである。)

警部が言うように、義母(と父)の居住地はどんどん北の地へと移動していた。

これは完全犯罪か?!

それにしても、
まさかあのセリフを生で聞けるとは…。
まるで刑事ドラマみたいであった。



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