届かなかった梅味噌

2018-01-28

梅味噌は待てども待てども届かなかった。

予定が変わったり遅れる時、父は必ずその旨を連絡してくる。
送る時は必ず「送る」と伝える父、
届いたら「届いたよ。ありがとう」と必ず伝える私、そういう親子であった。

その連絡もなく、梅味噌は届かなかった。
父が心配になった。

私は父宅に電話した。
義母は相変わらず「具合が悪いと言って寝ている」
「起こしたけど、またにしてくれ、と言っている」と電話が取り継がれることはなかった。
梅味噌のことを聞くと「忙しくて送れていない。」と義母は答えた。

そうこうしていると「父が入院した」と義母から連絡がある。

すぐさま見舞いに行こうと義母に父の入院先を尋ねた。
すると「お父さんから、見舞いには来るな、と伝えるよう頼まれている。だから入院先は教えられない。お父さんは元気だ、大丈夫だ。」と見舞いに行くことを制止された。

それから4日たち、胸騒ぎがした。居ても立っても居られなくなり、私は父の元に行くことにした。
妹たちに声をかけたが「姉ちゃんだけで行っておいで」ということだった。
出掛ける用意をしていた最中、夜の2時も回った真夜中、義母から連絡が入る。父が危ない、今夜がヤマだ、と言う。

すぐにきょうだいに連絡した。
母にも声をかけた。
母は行かない、行けない、ということだった。そして「お父さんがあなたに何も告げることがないまま、この世を去るはずがない。早くお父さんの所に行ってあげなさい」と言った。
妹たち、こどもたちも連れて、すぐに出発した。

4日前の電話で義母は「父は話もできるし元気だ」と言った。
父さんは「病院に来るな」と言っていると言った。
一体どういうことなんだ?
わけが分からなかった。

とにかく早く病院に行かなければ…、
その思いとはうらはらに、季節遅れの雪が降り始め、高速道が通行止めとなり、途中で下りる羽目に遭う。車にナビはついていない。かなり山奥、人家もない。仮にあったとしても真夜中であり、道を尋ねに行くことも出来ない。

 

 

 

 

やっと山奥から抜け出し、空が少しずつ白み始めてきた頃、義母から電話。
父が「亡くなった」という知らせであった。(つづく)

 

 

2018-01-28サスペンス, 父 STORYサスペンス, ブログ,

Posted by Sun